自然再興と土地劣化中立社会への変革~生態系拡張アプローチからの提案~
2025年8月22 日(金)16:00-18:00(JST)
- 日時
 - 2025年8月22 日(金)16:00-18:00(JST)
 - 分野
 - Nature positive 砂漠化対処
 - 会場(開催形式)
 - インターコン(ハイブリッド開催)
 - 共催
 - SynecO
 
背景
世界経済フォーラム(WEF, 2020)によれば、世界GDPの半分以上(44兆ドル相当)が自然に依存しています。しかし、全動植物種の約25%(約100万種)が絶滅の危機にあり(IPBES, 2019)、状況は依然深刻です。
2022年12月の生物多様性条約(CBD)COP15では、「昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)」が採択され、2030年までに生物多様性を回復軌道に乗せ、2050年までに自然と調和した世界を実現することが目指されました。ここで「ネイチャーポジティブ(自然再興)」は、生物多様性の損失を止め、回復を図る共通目標として位置付けられました。
また、国連砂漠化対処条約(UNCCD)は「土地劣化中立(LDN)」を提唱し、土地の劣化を回復で相殺し、状態を維持または改善することを目指しています。
ネイチャーポジティブと土地劣化中立は、いずれも2030年までの環境劣化の停止と生態系回復、2050年の自然と共生する世界の実現に向けた重要な国際目標です。
中でも農業分野は、淡水使用、栄養塩の流出、化学物質による汚染、森林の土地利用転換などにより、土地劣化と生物多様性喪失に大きく影響しています。
一方で、農業における生態系サービスの活用と、人間による生態系の拡張(Ecosystem Augmentation)を組み合わせたアプローチにより、生態系への負荷を減らしつつ、自然と人の健全な機能を回復する農業の実現が可能であることが、さまざまな取り組みによって示されています。
これらは、UNCCDが推進する再生型農業やアグロエコロジーの実践とも一致しており、土壌の健康回復とLDN達成に貢献するものです。本イベントでは、
- 農業と生態系保全の両立
 - アフリカにおける都市・農村間格差の拡大とレジリエントな農業の可能性
 - 地域を活性化する農業の理想像
 
について議論します。
キー・クエスチョン
- 生物多様性の危機に対して、「農」を通じてNature positiveな社会への変革は可能なのか
 - アフリカで求められる「レジリエントな農業」とは
 - アフリカでも都市と地方の格差が拡大する中で、「地方を元気にする農業」とはどのようなものか
 
目的
- 生態系保全と農業の関係性理解や、生態系と人の健全な機能を回復する食料生産の在り方への理解を促進する。
 - SynecO/Sony CSL/JICAで共同で取り組んでいる「アフリカにおける生態系拡張アプローチ実証活動」を紹介し、活動への参画を呼びかける。
 
登壇者

- ジル・アマドゥ・ウェドラオゴ 氏(開会挨拶)
 - プログラムマネジメントオフィサー、グレートグリーンウォールアクセレレーター | グローバルメカニズム、砂漠化対処条約(UNCCD)
 

- 舩橋 真俊 氏
 - SynecO代表取締役、Sony CSL Research Director
 

- Mamadou Ndiaye 氏
 - セネガルNGO Intermondes代表
 

- Raymond Epp 氏
 - メノビレッジ長沼共同代表/Maoi Cover Seed代表
 

- 荒谷 明子 氏
 - メノビレッジ長沼共同代表
 

- Ruth LANGSI YELOMA 氏
 - Terre Des Jeunes Cameroon代表/
Association for the Promotion of Synecoculture (ACPS) カメルーンコーディネーター 

- JICA:川村 謙一(閉会挨拶)
 - 理事
 

- JICA:栗元 優(モデレーター)
 - 地球環境部森林・自然環境保全グループ課長
 
