TICAD9 JICA Thematic Events

日時: 2025年8月21 日（木）15:20-16:50（JST）
分野: WPS, ジェンダー平等と女性のエンパワメント
会場（開催形式）: 展示ホール（ハイブリッド開催）
共催: UN Women、世界銀行

背景

アフリカにおける平和と安全保障をめぐる情勢は、昨今大きな変貌を遂げている。紛争、政情不安、テロリズムと暴力的過激主義、大規模な避難民、国際的・組織的犯罪、気候変動、度重なる人道における危機的状況が複合することで、脅威は複雑さを増している。これらの危機はアフリカにおける安全保障の構造の再構築を迫り、また政府、地域社会、個人に前例のない課題を突きつけている。
重要な点は、こうした脅威が女性と少女に、様々なそしてしばしば大きな負の影響を及ぼしていることである。ジェンダーに基づく暴力のリスクの高まりから、生活手段の喪失やコミュニティからの離散に至るまで、女性と少女はそのジェンダーゆえに不安の矢面に立たされている。こうした影響は、これまで表面化している脆弱性を悪化させるだけでなく、構造的なジェンダーの不平等をそのまま定着させ、平和構築プロセスにおける女性の権利、参加、リーダーシップを弱体化させてしまうのである。
このような状況においては、女性、平和、安全保障（WPS）アジェンダは、これまで以上に重要な意味を持ち、平和と安全保障の意思決定への参加を促進させながら、女性と少女の権利を守るための早急な行動を呼びかけている。しかし、目覚ましい進展にもかかわらず、家父長的規範のような制度における障壁、限られた資源などがそのような動きを妨げている。
「WPS + イノベーション」イベントでは、女性や少女たち自身によって推進される創造的なアプローチが、アフリカ全体の平和と安全保障への取り組みをどのように再構築できるかを探求する。地域に根ざしたジェンダーに対応した解決策を紹介することで、WPSアジェンダを加速させ、包摂的で強靭な平和の新時代を築くことを目指す。

キー・クエスチョン

紛争や災害の影響を受けたコミュニティの平和と安全を促進するために、女性リーダーや組織はどのような革新的アプローチを用いているのか？(女性リーダーやコミュニティは、平和と安全を促進するために、どのようにイノベーションを定義し、イノベーションを適用しているのか？/女性・平和・安全保障の文脈における「イノベーション」とは何か？）
平和と安全保障の取り組みに女性と少女が意義をもって参加することを阻み続けている障壁は何か？
既存の権力構造に挑戦し、平和と安全保障の取り組みに女性のリーダーシップの場を創出するためにどのような取り組みを推進していく必要があるのか？

目的

本イベントでは、女性と少女の平和と安全が、完全に確保された平和な社会を築くために必要なアプローチと視点を探ることを目的とする。紛争や災害の被災地で女性と少女が直面する課題に取り組む女性リーダー、起業家、市民活動家、政府関係者、国際機関の代表者が一堂に会することで、実際に取り組んだ経験や事例に基づき、実践的な対話の場を提供する。

その地域に根ざした事例を共有することで、登壇者間で「女性・平和・安全保障（WPS）」アジェンダの実現に向けた取り組みを強化・加速させるための方策について議論する。また、WPSアジェンダを推進する上でのイノベーションが果たす重要な役割と共に、イノベーションが技術的な進歩にとどまらず、ダイナミックな分野横断的な連携を通じた新たな価値を生み出す手段でもある点を確認する。

資料