日本とアフリカ間における国際頭脳循環の促進
2025年8月20 日(水)09:00-11:00(JST)
- 日時
- 2025年8月20 日(水)09:00-11:00(JST)
- 分野
- A-TICAD(拠点大学ネットワーク)
- 会場(開催形式)
- オンラインのみ
- 共催
- 世界銀行、アフリカ開発銀行、文部科学省(MEXT)
背景
国際社会は国際秩序の不安定化や、気候変動、感染症、食料・エネルギー安全保障等の地球規模課題の深刻化という複合的危機に直面している。同時に、国境を越えた人材・知の循環、デジタル技術等の科学技術・イノベーションにより途上国の経済社会が飛躍的に発展する機会も到来している。同状況下において、途上国の持続的発展、地球規模課題の解決、SDGs達成のためには、人文社会、科学技術・イノベーションの各領域で専門的知識・技術を有した高度人材の育成や、国境を越えた協働による新たな知見・技術の共創が重要であり、その中核となる大学の能力向上が喫緊の課題となっている。
途上国の中でもアフリカの高等教育就学率は9%(2023年)であり、全世界で最も低い地域となっている。アフリカは今後人口増加が続き、国連予測では2050年には約24.6億人で世界人口の約1/4を占め、また、豊富な若年人口に恵まれることが予測されている。アフリカがこの人口増加と若い人口構造の恩恵を活かして経済成長を遂げるためには、若者の良質な教育へのアクセスを確保し、優秀な若者を育成できるかが鍵となる。その観点で、アフリカにおける高度人材を育成する高等教育の役割は極めて大きい。
かかる状況下、国際協力機構(JICA)は、アフリカの成長へ貢献するとともに、成長するアフリカの活力を取り込むために、日本とアフリカ間の「国際頭脳循環」の推進を図る。具体的には、日本の支援アセットであるエジプト日本科学技術大学(E-JUST)、ジョモ・ケニヤッタ農工大学/汎アフリカ大学科学技術院(JKUAT/PAUSTI)、ステレンボッシュ大学(SU)をハブとする、アフリカ域内の主要大学や本邦大学等とのネットワークを構築し、教育・研究・産学連携面での協働の促進に向け、第9回アフリカ開発会議(TICAD9)の機会に「日・アフリカ拠点大学ネットワーク(仮)」の立ち上げを表明する。あわせて、本セッションでは関係機関との「共創」を通じた日本・アフリカ間の互恵的な国際頭脳循環の促進・面的波及に向けた展開等について議論する。
キー・クエスチョン
- 国際共同研究を通じた研究者育成
- 日本とアフリカ間の国際頭脳循環の促進
- アフリカの社会課題解決への貢献
目的
- 日本の支援アセットであるエジプト日本科学技術大学(E-JUST)、ジョモ・ケニヤッタ農工大学/汎アフリカ大学科学技術院(JKUAT/PAUSTI)、ステレンボッシュ大学(SU)をハブとする、日本とアフリカの大学間における学術ネットワーク(AJ-INSPIRE)の立ち上げを表明すること。
- 関係機関との「共創」を通じた日本・アフリカ間の互恵的な国際頭脳循環の促進・面的波及に向けた現状・課題や展開等について議論すること。
- アフリカの科学技術イノベーション(STI)における、教育・研究・産学連携の発展に係る理解を深めること。
登壇者

- 井本 佐智子
- 国際協力機構(JICA)理事

- ウスマン・ディアガナ
- 世界銀行 西部・中部アフリカ地域担当副総裁

- Prof. Amr ADLY
- エジプト日本科学技術大学(E-JUST)学長

- Prof. Robert Kinyua
- ジョモ・ケニヤッタ農工大学(JKUAT)副学長

- Prof Deresh Ramjugernath
- ステレンボッシュ大学(SU)学長

- Dr. Roberta Malee Bassett
- 世界銀行 高等教育・シニア教育スペシャリスト

- Mme. Hendrina C. DOROBA
- アフリカ開発銀行 教育・スキル開発部門長

- 武居 桂子
- アフリカ開発銀行 チーフ教育アナリスト

- 岡田 晋輔
- 文部科学省科学技術・学術政策局国際研究開発政策課企画官

- 清水 周次
- 九州大学副理事

- 岡田 江平
- 豊田通商株式会社 執行幹部 CSO補佐

- 岡野 貴誠
- 国際協力機構(JICA)国際協力専門員

- 上田 大輔
- 国際協力機構(JICA)人間開発部高等教育・社会保障グループ長